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ニッケルメッキの基礎知識!
種類・特徴・加工方法について

ニッケルメッキの特徴・種類・加工方法

ニッケルメッキを専門の加工業者に発注する際は、その耐食性の高さや変色に強いところ、硬度の高さといった特徴に注目しておきましょう。前もってその特性について理解を深めておけば、製品にどのようなメッキ加工をしてほしいのか業者と打ち合わせする際にも話がスムーズです。今回は、ニッケルメッキが持っている特徴から加工方法まで、詳細をご紹介します。変色しづらいこと、耐食性が高いこと、光沢感があることなど、様々な性質に注目し、ニッケルメッキをどう活かすのか見ていきましょう。

ニッケルメッキについて
そもそもニッケルメッキとは?
◉概要
◉特徴・特性
​ニッケルメッキの種類

​ニッケルメッキについて

ニッケルメッキの処理を業者へ依頼する際は、まず、どのような特徴を持つものなのか理解を深めることが重要です。メッキについてはニッケルメッキ以外にもクロムメッキ、銅メッキ、金メッキといったようにたくさんの種類があります。メッキ処理業者を見つける際には、自分たちでもある程度特徴など重要な点を確認して発注することが大切です。こちらでは、ニッケルメッキの特性や種類ごとの特徴について詳しく解説します。

​そもそもニッケルメッキとは?

ハテナ

ニッケルメッキ処理を依頼したい場合には、ニッケルメッキにどのような特徴があるのかをチェックしておきましょう。重要なポイントは以下のとおりです。

◉概要

アルミニウムや鉄などの材料で作られた品物をニッケルの皮膜で被覆する処理をニッケルメッキと呼びます。ニッケルメッキは品物の表面にニッケルの皮膜を生成させる事で、ニッケルの耐食性や耐熱性、硬度などの特性を持たせる事が可能となります。

◉特徴・特性

より具体的なポイントについては後述しますが、ニッケルメッキの特徴・特性をまとめると以下のようになります。

  • 耐食性が高い

  • 耐熱性に優れている

  • 光沢のある見た目を長い間維持できる

  • 密着性が高い

  • 変色しづらい

  • さびにくい

  • 硬度が高い

このように、ニッケルメッキにはあらゆる利点があるのが特徴です。腐食したり、熱によって変色したりするなどの劣化を防ぐ特性を持っています。それだけでなく、美しい光沢感を表現できる、さびや変色を防げるなどの美観性の高さにも注目しておきたいところです。密着性が高く、曲げるようなことがあっても簡単に剥がれてこないのも、ニッケルメッキのメリットだといえるでしょう。

​ニッケルメッキの種類

アイデア

続いて、ニッケルメッキの種類について詳細を紐解いていきましょう。ニッケルメッキは電解ニッケルメッキと無電解ニッケルメッキに分けられます。どちらもニッケルの特性を活かして皮膜を作るメッキであることには変わりありませんが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。特徴をそれぞれ見ていきましょう。

◉電解ニッケルメッキ

電解ニッケルメッキは、電気分解によってメッキを施す方法です。電気のエネルギーを使用して製品に皮膜を作るのが特徴となります。その美しい光沢を活かして装飾用の加工として多く採用されています。精密機器などの製品に使用されることもあるなど、用途としては非常に幅広いのが特徴的です。また、一口に電解ニッケルメッキといっても、光沢ニッケルメッキ、半光沢ニッケルメッキ、無光沢ニッケルメッキなど細かく分類されています。

◉無電解ニッケルメッキ

一方、無電解ニッケルメッキは電気の力を使うのではなく、化学反応を利用することで皮膜を形成するメッキ方法です。電解ニッケルメッキの場合は、かける電気のエネルギー量次第でメッキの厚さが変わってきます。しかし、無電解ニッケルメッキの場合は化学反応によって皮膜を作るため、メッキ液に浸漬している時間によってメッキの厚さが変わってきます。また、全体的に厚さにばらつきのない仕上がりになることも大きな特徴です。

したがって、無電解ニッケルメッキは形状が少々複雑なものに対しても、厚さが統一されたメッキ加工を施すことができます。

無電解ニッケルメッキも、きれいな光沢や耐食性・耐熱性の高さなどが特徴となっています。また、硬度の高さも無電解ニッケルメッキならではの特性となっており、特に熱処理を施した後には、より高い硬度が得られます。

◉電解ニッケルメッキ
◉無電解ニッケルメッキ
​ニッケルメッキの特徴と加工方法
​ニッケルメッキの特徴
◉耐食性
◉硬度
◉光沢のある見た目
◉メッキの種類で音質は変化する?

​ニッケルメッキの特徴と加工方法

ニッケルメッキには耐食性の高さ、耐熱性の高さ、美しい光沢感のある仕上がりなどの特性があります。加工を依頼する場合はその特徴をより具体的に知っておきましょう。ここからは、耐食性や耐熱性、光沢の美しさなどのポイントを踏まえて、加工方法をご紹介します。業者に発注する際には、あらかじめ流れなどについて理解を深めておくことが大切です。

​ニッケルメッキの特徴

特徴

ニッケルメッキには、注目しておくべき特性・特徴があります。概要的な特性には触れてきましたが、ここからはより具体的なポイントを整理していきましょう。

◉耐食性

まず、特性のひとつとして耐食性の高さが挙げられます。腐食といった劣化が目立ちやすい金属製品は、メッキ加工を施すことで劣化を防ぐことが可能です。製品の機能性自体はしっかりとキープしたうえで、メッキによって耐食性を高めることができるのです。製品の品質の底上げにつながるのが特徴です。

◉硬度

メッキ処理にはニッケルメッキ以外にも多くのものがありますが、ニッケルメッキは数あるメッキの中でも高い硬度を誇るのが特徴です。

◉光沢のある見た目

美観に優れているところも、ニッケルメッキが持つ大きな特徴のひとつです。その光沢感のある見た目を活かして、装飾の用途として採用されることは少なくありません。ちなみにニッケルメッキのすべてに光沢があるわけではないため、光沢感を重視した加工処理を施したいときは、光沢ニッケルメッキを採用するのがおすすめです。

また、さびや変色などの劣化にも強いため、美しい見た目が長持ちするのもポイントです。様々な機能性を活かしたうえで見た目の美しさも表現できるのは、ニッケルメッキならではの魅力といえるでしょう。変色を気にすることなく高品質な見た目を維持したいときには、ニッケルメッキが適していると考えられます。

◉メッキの種類で音質は変化する?

ニッケルメッキの用途は様々で、現在は多くの製品に使用されています。ここで豆知識としてチェックしておきたいのは、オーディオケーブルにあるプラグ部分に使われているメッキです。

実は、プラグ部分にどのような種類のメッキ処理が施されているかで、音質は微妙に変わるといわれています。実際に、メッキの種類次第で音質に影響するという話を耳にしたことがある方は意外と多いかもしれません。もちろん、どの素材のメッキで音質がどう変わり、良し悪しにどれだけ影響するのかは、個人の主観や微妙な聞こえ方の違いによって異なります。

ニッケルメッキ処理されたプラグの場合は、音質がタイトな音になるという意見もあります。このように、メッキの性質の影響は音質など様々な部分にあるということがわかります。

ニッケルメッキの加工方法

ステップ

最後に、ニッケルメッキの加工方法について詳細を見ておきましょう。ニッケルメッキは以下のような工程で加工処理されます。

1.加工する製品の脱脂処理を行う

まず、ニッケルメッキがしっかりと密着するように、表面についている油脂をなくさなければなりません。もし油脂を取り除くのに不足があった場合は、ニッケルメッキの密着性が悪く、メッキの膨れや剥がれの原因となります。

2.電解脱脂処理を行う

電解脱脂を施すことで、水素ガスや酸素ガスなどの発生ガスと脱脂液の併用作用で仕上げ脱脂を行います。

3.酸活性(酸中和・酸処理)を行う

製品を酸に浸漬し、製品表面に生成されている酸化被膜やサビを除去して、ニッケルメッキの密着性を高めます。

4.ニッケルメッキ処理を行う

多くの前処理工程を経てニッケルメッキ処理を行います。電流密度や処理時間など適正な条件で処理を行います。ニッケルメッキ処理完了後、完全に乾かしてすべての工程は終了です。多くの前処理工程を経てニッケルメッキ処理を行います。電流密度や処理時間など適正な条件で処理を行います。ニッケルメッキ処理完了後、完全に乾かしてすべての工程は終了です。

ニッケルメッキの加工方法
1.加工する製品の脱脂処理を行う
2.電解脱脂処理を行う
3.酸活性(酸中和・酸処理)を行う
4.ニッケルメッキ処理を行う

無電解ニッケルメッキには耐食性・耐熱性・変色に強いなどの特徴がある

ニッケルメッキの加工を業者に発注する際には、前もってニッケルメッキならではの特徴やメリットについて把握しておきましょう。あらかじめ特性を理解しておけば、業者との打ち合わせや見積もりもスムーズです。

株式会社コネクションでは、無電解ニッケルメッキをはじめとしたメッキ処理のご相談・ご依頼を承っております。メッキ処理が必要な方で業者選びにお困りの際には、株式会社コネクションへぜひお気軽にお問い合わせください。

無電解ニッケルメッキには耐食性・耐熱性・変色に強いなどの特徴がある
無電解ニッケルメッキについて詳しく解説!

無電解ニッケルメッキについて詳しく解説!

ニッケルめっき加工

近年、自動車・機械・電気・電子機器、半導体・精密機器と多くの産業分野で需要が高まり、年々増加傾向にある無電解ニッケルメッキ処理ですが、そもそもなぜ、無電解ニッケルメッキは選ばれているのでしょうか?

こちらでは、無電解ニッケルメッキの代表的な特徴を解説。併せて、どのように応用されているのかご紹介します。

アルミ板

通常の無電解ニッケルメッキの色は飴色のシルバー色です。ただしこの色は、電解ニッケルメッキの色ともよく似ているため、判別が必要なときには困ってしまうときもあるようです。

こちらでは、無電解ニッケルメッキの「色」に注目し、電解ニッケルメッキとの判別方法、黒色無電解メッキの特徴、無電解ニッケルメッキが変色してしまう条件と解決方法について解説します。

膜厚測定器

メッキは膜厚が重要です。メッキの性質は膜厚によっても変わることがあります。例えば耐食性は膜厚が大きいほど上がる傾向にありますが、製品に必要な耐久性を検討し、適切な膜厚を設定することも設計上重要です。

こちらでは、無電解ニッケルメッキの実際の膜厚の管理方法をご紹介します。また、図面などに記載されるJIS記号について、膜厚の表記には重要な注意点がありますので、合わせてご紹介します。

密着性

機械加工した製品を硬度や耐食性向上の目的でメッキすることも多いと思いますが、せっかくメッキに出した製品において、メッキが剥がれてしまうことが稀にあります。

このような事象は、メッキの密着性という性質に大きく関連するものです。こちらでは、特にアルミ素材への無電解ニッケルメッキについて、密着性に注目した視点でご説明します。

​無電解ニッケルめっき・カニゼンめっきの特徴やメリットに関するコラム

​無電解ニッケルめっき・カニゼンめっきの特徴やメリットに関するコラム

  1. 無電解ニッケルめっき処理について解説!原理についても知っておこう!

  2. ニッケルめっきの基礎知識!種類・特徴・加工方法について

  3. カニゼンめっきとは?カニゼンめっきの歴史と塗装との違い

  4. 無電解めっきの種類や電気めっきのメリット・デメリット

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